日別アーカイブ: 2011年3月19日

抜粋2

約束

母さんだけ悲しいんじゃないよ

母さん、死んだらだめだよ

自分だけ楽しようと思っちゃだめだよ

最愛の父が逝ってしまった

断りもなく、黙って

最期の別れの言葉もなく

最愛の父が逝ってしまった

「ふっー」

「今が、一番幸せだのぉ」

「ふっー」っと安心した大きな、ためいき

今なお、時が止まったまま・・・

たいっちゃんは私の自慢の父です

おいしかったね

こっそり行った食堂の

ケチャップ味のオムライス

 

 

十二色の粒

突然、深夜の三時に降ってくる

音もなく降ってくる

白色の粒は 雪に変わる

桜色の粒は 来年の桜の花になる

春風の粒は 春を連れて来る

ふんわり温かいお日様の粒は

大地の芽を育てる

すべての粒を

笑顔とともに未来へ送り出しましょう

すてきな一日がはじまりますように

大きな手を広げて

宇宙に

天に

届くよう

あなたの奏でる音と一緒に

庄内の奏で エール桜の花が咲く季節 一部抜粋

エール

天からの使者が

満月の光に導かれ

清水を杯に注ぎ口を湿らせる

この世の儀式が終わると

死に人を連れ ともに月に帰ってゆく

死にゆく物は

白足袋を履き

白い傘をさし

天に招き入れられる

もう、いいがのぉ

まだまだ、だめだ

もう、いいなねがのぉ

いやいや、まだだめだ

お前様にはやるべきことがある

ある者は

お前様の笑顔が見たいと

もう一人は

お前様の元気な姿に会いたいと言っている

そして

目の前にいる者は

お前様の優しい

温かい手を握りたいと待っている